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第七十一話

何かおかしい。何これ?
頭の中に不安がよぎる。
旦那を起こそうか悩む。
悩みながら過ぎていく時間。
暗い部屋の中も布団の中で、もんもんと考える。
痛くはない。なんか変だ。とにかく寝てしまおう。
起きてから考えてもいいや。
うつらうつら・・・とはするものの目が覚めてしまう。

2時40分。
おかしい。
10分おきくらいにあるお腹の「張り」。
トイレにいく。
おさまらない。
陣痛?
でも痛くないそ。
う〜ん。
おかしいよ〜。
おかしいよ〜。
変だよ〜。
こんなのが「陣痛」なの?
変だよ〜。
もぞもぞもぞもぞ。
布団の中で考える。

3時50分。
旦那を起こす。

「ねぇ・・・」
「・・・ん?・・」
「なんか変だよ。」
「何が?」
「お腹。」
「産まれるの?」
「痛くないけど、変だよ。」
「なんだそりゃ。」
「どうしようか・・・。」
「明日(今日のこと)診察あるんだし、聞けば。」
「うん。わかったよ。」

旦那はまたすやすやすや。
私はうとうとうと・・・・もぞもぞを繰り返す。

5時50分。
トイレにいく。
なにかペトっとした感覚。?
紙に付いている「粘膜と濁った血」。
直感的に私、思う。
”おしるし”だ・・・!

*おしるしとは・・・・
   胎児を包んでいる卵膜が、子宮からはがれ
   そこから滲み出た血液が、子宮頸管から分
   泌されて出てくること。お産のはじまり、
   ってことだね。ただし、人によっては2〜
   5日前に出始める事もある。

トイレからでて、旦那を起こす。

「おしるしだよ、お産開始だよ。」
「あ・・・そ・・・。」

(・・・その態度何?)
ちょっとむかつく私。

「始まった?!」

飛び起きる旦那。
こいつ〜〜。
根っから芝居がかってる〜。
なんなんだ、今の「間」。
絶妙な「間」だぞ〜。

「もう痛いの?」
「それが痛くないんだよ。」
「へ?・・・じゃまだだね。お休み。」

あ・そ・・・・。
下に降りると、まだ6時前なのにお義母さんが起き出していた。

「おはようございます。あの・・・」
「痛いの?」

いきなり聞かれる。

「いえ、でも”おしるし”はありました。」
「今のうちにお風呂入っときな。」
「あ・・・はい。」

お義母さんにいわれるまま、お風呂を入れる。
夜中にごそごそやってたから、お義母さんにはなんとなく、
わかっていたらしい。
するどいっていうか、なんていうか・・・。

「ご飯食べる前に入っちゃえば?」
「あ、わかりました。」

いつもなら寝てる時間に入浴。
その間も「変な張り」は続く。
始まりなのかなぁ・・・
とお風呂につかりながら思う私なのでした。


                     続く





    


第七十二話

お風呂から上がると、なんと「朝食」が出来ていた。
お義母さんがつくってくれていたのでした。

「きっと産まれるまで、まともに食べられないだろうから
 しっかり食べときな。」

と、お義母さん。
おかずなんか覚えていないんだけど、おみそ汁が
めちゃくちゃ美味しかった事は覚えてる。
ネギとお豆腐だったような・・・油揚げが入っていたような・・・
とにかく、めちゃくちゃ美味しかった。
6時過ぎに一応10分おきに「張る」ので病院に電話する。
8時頃また電話下さい、と言われる。
普段、8時近くまで寝ている旦那も起きてきた。
義妹も出勤なので起きてきた。

「お兄ちゃん、落ち着きなよ。そんな簡単に産まれないよ。
 お姉さんケロッとしてるじゃない。まだまだ先だよ。
 夜だよきっと。」

産婦人科勤務はダテじゃない。
私の様子を見て、そういう義妹。
お義母さんも割と、冷静。
旦那だけが、うろうろしている。
私は、というと、お腹の「張り」の時間を確かめている。
15秒くらい張ってる。
10分おきに。
せっせと荷物を用意する。
まとめてあったものに、更に日記と台本を加える。
お財布だけは、旦那に産まれたら持ってきて、と頼む。
8時になって、また病院に電話する。

「今日、診察の予定ですね。」
「はい。」
「今は何分おきですか?」
「10分おきに、15秒位で、痛くありません。」
「痛くないんですね。」
「はい。」
「では、一応来て下さい。受付せずに、インフォメーションの
 方に来て下さい。」
「はい。わかりました。」

旦那は、会社に電話。
午前中休みます、ってね。
荷物を積んで、お義母さんに挨拶して、いざ病院へ。
車の中で旦那に言う。

「こんなに痛くなくていいのかな。」
「痛くなくて産まれれば、楽じゃん。」
「そうだけど、こんなに痛くなかったら、みんな
 「痛い」とはいわないでしょ?」
「じゃ、これから痛くなるんじゃないの?」
「そうかなぁ・・・。」

少し不安がよぎる私でした。
車は一路病院へ、天気は上々。
S町にはいると、高校生が自転車で通学中の風景。
この子も産まれて、15年もすれば高校生・・・。
なんだか、変な気分。朝日がまぶしい。

今日・・・
産まれるのかな・・・・
ちびチャン・・・・

病院が見えてきました。


                    続く












                        
☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆☆*☆*☆*
結婚っていいぞ〜ってやつ、またまたきましたんで、載せます。

「私は結婚してすごく幸せです。本当にいい人を見つけたと思う。
 向こうは失敗したと、思ってるかもしれないけどね・・・
 だって、私では申し訳ないくらい・・・」

お幸せに!
☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆☆*☆*☆*

第七十三話

4月27日(木)晴れ。
AM8時30分過ぎ。病院に入る。
インフォメーションに来て下さい、と電話で言われていたので、
その通りにインフォメーションにいく。

「先ほど電話した上田ですけど・・・。」
「はい、上田さんですね。じゃお荷物お預かりして、まず内診です。」
「あの・・・体重とかは計らなくて・・・」
「しなくて結構ですよ。」
「あ、はい。」

ちなみに増えた1キロは、なんとか元に戻っていて
+3キロの状態。
赤ちゃんが3キロ位だったら、羊水込みで少し減るかも。
なんて期待もあったりする。
これからお産かもしれないのに、のんきな妊婦である。
旦那を置き去りにして、診察室へ。

内診台に上がる。
先生が指をつっこんで一言。

「駄目だ、1センチ位しか開いてないよ。」

駄目・・・って。
そうかぁ・・・まだまだなのかぁ・・・。
なんて思っていたらカルテをみたらしくまた言う。

「あ、でも今日の診察いかんで、帝切だったのね。
 じゃ産んじゃいましょ。」

(そ・そんな・・・)
(もしや・・・帝王切開?)

私があれこれ頭の中で考えていると、先生が私に言う。

「と言うわけで、今日頑張って産んじゃいましょう。」
「は、はい。」
「時間かかると思うけど、頑張って。」
「はい。」
(時間かかる?ってことは普通分娩?)
「剃毛して、あと浣腸。」
「はい。」

看護婦さんに指示をする先生。

(剃毛って・・・そるの?)

看護婦さんがやってきた。

「じゃ、剃りますね。」
(イテテ・・・・)

あっという間に剃られちゃいました。
そして看護婦さんが言います。

「じゃ、処置室で、浣腸してもらって下さい。」
(浣腸・・・・!!)

内診台から降り、診察室を出る。
旦那が不安げに立っていた。
旦那を横目にそのまま、目の前の部屋に入る。

「まだまだ元気ね。じゃ、これに着替えて下さい。
 下着も全部脱いで。」
「はい。」
「脱いだ物は、旦那さんにもって帰ってもらいましょう。」

荷物の中から紙袋を出し、それに着てきた服を入れる。

「旦那さんに、靴も忘れずに持って帰ってもらってね。」
「は、はい。」
「じゃ、旦那さんに渡してきて。」

私はいわれるまま、部屋を出て旦那に紙袋を渡す。

「大丈夫?」
「お産するって。靴忘れずに持って帰ってだって。」
「これからどうするの?」
「浣腸するの。」

そして浣腸をしてもらうために、また部屋に入る。
ぼ−っと突っ立ってる旦那を後目に・・・・。
はじめてづくしの「出産準備」であります。


                       続く













♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
またまた来ました。「結婚」について。では載せます。

「出産体験記、いよいよですな。そしてまたまた結婚生活
 ネタ。(出産体験記61)これなら私も話しに加われそう
 なので、ちょっと感想。う〜ん、厳しい意見ですな。
「結婚生活は甘くない」そういうのを分かってて、
 それでも「この人と結婚したい」って思える人が、私にも
 現れるのかな?どうも根性無しの私にはムリそうな気もする。
 先の事いろいろ考え過ぎると、人と付き合っていくのも考え
 ちゃうし。まあ、相手も私に対して文句はたくさんあるとは
 思うけど、どうも人のイヤな面って気になっちゃう。「他の
 人(前の人)ならこうだったのに〜」とか。完全な人なんて
 いないわけだし、そんな事言ってたらしょうがない(それも
 自分を棚に上げて)のは分かってるけど・・・・・。で、
 「やっぱこの人とは合わないのかな?別れた方がいいかな??」
 な〜んて。これだから長続きしないのかも?まだまだ甘ちゃん
 なのかな・・・・・・・・・・・。ってな感じです。」

感想ありがとうございました。人生いろいろですぜ。
人もいろいろいますしね。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

第七十四話

浣腸するために部屋に戻る。
浣腸・・・・。
もちろん初体験。
簡易ベッドに横に寝かされまして・・・・

「はい、力抜いて下さいね。」

とかなんとか言われて・・・何か変な液体を注入されました。
どこに?なんてつっこみはしないように。

「出来るだけ我慢して下さい。2Fにトイレがありますので
 そこに行って下さい。出て左の階段のぼって、すぐですから。」

たんたんと看護婦さん。
(出来るだけ我慢・・・?)

ベッドから起きあがり、部屋を出る。旦那がいる。

「2Fに行くんだって。」
「2F?」
「うん。」

階段を上りはじめてすぐ、下腹部に痛み。

「う・・・・!」
(うそ?こんなにすぐ出てきちゃうの?)
「どうした?痛いの?」

先を歩いていた旦那が、止まって聞いてきた。
私首を振る。
声出したらでそう。
何が?なんてつっこみもなしね。
赤ちゃんでないことは確かです。

でも、なんとかこらえて、2Fへ。
私と同じ格好の人が一人いた。

トイレに行くと、全部入ってて、うまってる。
うそでしょ〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!!

出来るだけ我慢・我慢・我慢。
一人出てきたのを見て、ダッシュでトイレ。
いやぁ・・・浣腸なんて、便秘気味の人以外にも
やるのね、って感じでした。

トイレから出てきても、まだすっきりしない。
う〜ん。まだでそう。
トイレから戻ったと思ったら、またトイレへ逆戻り・・・
を2回位繰り返してしまいました。

おいおいおい。
お腹の「張り」どっかいっちゃった気がするよ。
どうすんだい?
トイレから戻って、そんなことを思っていた私でした。


                       続く









♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
またまた来ました。感想メール。なかなか笑っちゃいます。

「浣腸の話を読んで笑っちゃいました。
 そう、浣腸ってこんなに辛いものだとは夢にも思わなかった。
 アタシは看護婦さんに今からゆっくり100数えて下さい。
 と言われ1,2,3,4・・・と数えて100になる前の段階、
 恐らく70か80ぐらいで便座に座ってピーピーでした。最後
 の時に分娩台で「この人まだウンチ残ってます〜」と助産婦。
「はい、じゃあその場でウンチだけしちゃって下さい」と先生。
 恥ずかしいったらありゃしない。」

うれしい感想もきてます。

「なんか、結婚するといろいろ問題がおきるし複雑な事ばかりで
 いやになっちゃうよね。上田さんの体験記いつも読ませて
 もらっているけど、はりあいにもなるし、為にもなっています。
 その中の、・いろいろな意見・も読んで私と、同じ意見も多々
 あって勇気づけられたときもありました。やっぱりこの体験記が
 終わってもまた次も・・・という気持ちわかるなー。
 やっぱり、すごいよっ!上田さんっ!また楽しみにしているので
 頑張って下さい。」

はい、頑張ります。やっと陣痛まできたし....
よっしゃっ!!!です。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

第七十五話

「大丈夫?」
「うん。なんとか。お腹の張りが消えた気がするよ。」
「お前便秘だったんじゃないの?」
「便秘で出血しないでしょ?!」

トイレから出てきて、旦那とくだらない話しをする。
下ってるのはお腹だけ。
となりのイスに、妊婦さんと旦那さんと女の子がいた。
この妊婦さんも私同様、全然痛くなさそう。
2度目みたいだし、痛くないのかなぁ・・・。

「じゃ、いってくるね。」

そのお母さんは、にこやかに部屋に入っていった。
部屋とは・・・・「分娩室」
え?いきなり分娩室はいるの?
なんて思ったら、分娩室から看護婦さんが出てきて
こっちを見て言った。

「上田さんですか?」
「はい、そうです。」
「先生の診察ありますので、中にはいって用意して下さい。」
「はい。」
「ご主人様は、ご自宅にお戻り下さい。生まれ次第ご連絡致します。」
「は・はい。」

看護婦さんはそういうと、中にはいってしまった。
私たちはお互い顔を見合った。

「じゃ、行くわ。」
「ん。頑張って。」
「じゃね。バイバイ、頑張るよ。靴、忘れずに。」
「もう入れた。」
「そっか。」

なんだかよく覚えてないけど、こんな会話した気がする。
そんでもって私は、分娩室のドアを開けたのでした。


                       続く





                        

♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
またまた来ました、浣腸のこと。載せます。

「浣腸の話は笑っちゃうね。
 私なんか12秒くらいしか持たなくて、怒られちゃった。
 怒られたって、でるもんはでるんだから、しょうがないよね。
 で、当然出産直前に、でてしまうのも、しかたないよね。
 ほんっと、恥ずかしかったです。」

いろいろですねぇ・・・。
でもみんな、笑えるようになってるからいいんだよね。
その時は大変でも。うん。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

第七十六話

部屋に入る。分娩台が3台。
それぞれがあの、病院によくある「青いしきり」で
仕切られている。
脇のホワイトボードに、今この部屋にいる人の名前と
週が書かれている。
もちろん、私の名前も書かれていた。

「上田:41週+1日」

看護婦さんが、真ん中の台に乗るように言う。
手前の妊婦さんは、もう産んだらしい。
大きな人であった。つい声を掛けてしまった。

「もうお生まれになったんですか?」
「そうよ。これから?」
「はい。おめでとうございます。」
「ありがとう、はじめて?」
「はい。」
「頑張ってね。」

この妊婦さんの名前は覚えてるんだな。
ホワイトボードに「鳥海:8時○○分出産」ってあったから。
友人にいるんだ、鳥海って。

で、分娩台に乗る。えっちらおっちら乗る。
そうそう。打ち損ねた。
服の下は、産褥ショーツというのを着ていました。
もとい、はいていました。
股間のところがマジックテープでとめてあるの。
先生がやってきて、診察。

「駄目だね。」
「・・・・」
「風船持ってきて。」
「?」
「上田さん、まだ1センチ位しか開いてないの。でももう
 産まなきゃまずいと思うんだよね。で、風船入れます。
 5センチ位に開けば、とれるんで頑張って下さい。」
「は・・・はい。」

(風船?なんじゃそりゃ?)

看護婦さんが持ってきた。
10センチ位の棒の先に赤い楕円形の物体。
あれが風船?
先生、看護婦さんから「それ」を受け取る。

「ありがとう。で、上田さんこれがその「風船」です。」
「はい。」
「これいれると、ちょっと痛いらしいですが、頑張って下さい。」
「ちょっと・・・痛いんですか?・・・」

私、おそるおそる聞く。

「う〜ん。普通の3倍位の痛み、って聞きますけど・・・。」
(ちょっとまてっ!!!)
(普通を知らないのに、いきなり3倍の痛み?!!!)
(それに何だよ!普通だの、3倍だのって。その基準
 誰が決めたんだっ!!!!!!)

私の心の叫びなど、全く無視のまま・・・
「風船」なる物体をいれる作業は終わった。
果たして3分後、ものすごい痛みにおそわれる私が
いたのでした。

                     続く






                        
第七十七話

普通の痛みの3倍・・・・・・・・
3分後、遠ざかっていた「張り」が「痛み」になって
訪れた。はっきり言って「激痛」....
時計を見ると3分おき。
マジ? 
こんなのが続くの?! 
風船ってやつが抜けたって、5センチなんでしょ!
10センチが全開なんでしょ!!!
うそ・・
うそ・・・・
誰か嘘だといって−−−−−−−−−−−−っ!!!!!
・・・・・・・・・。
その痛みが嘘でないことは、3分おきにやってくるので、
否応なしに自覚する。
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い・・・・
涙が出てくる。
この部屋の中で、こんな苦しそうな呼吸してる人、私しかいない。
只今私以外にいる人、二人。
最初に産んだ人は、2時間たちました〜
とかいわれて出ていった。
そうか、産んで2時間たつと、部屋に行けるのか・・・
等と、痛みの間に記憶する。
そうこうしているうちにまた痛み。

一体今何時? 腕時計を見る。まだ10時....
あれから1時間半位しかたってない。
トホホホ・・・・
看護婦さんがきて、風船(の棒だと思う)を引っぱる。

「まだまだですね。頑張って。ヒッヒッフーですよ。」

と去っていく。
痛みのないときに思う。
陣痛室ってあったのに、なんで私分娩台の上でうんうん
やってるんだろう。よし、あとで聞こう。
なんて思ったりしてると痛たたたたたた・・・・。
風船いれる前は、15秒位だったのに、いれたらすぐ
3分おきの40秒位の痛みになった。
どうにもこうにも痛すぎる。
ヒッヒッフーなんて、やっても5〜6回目に
呼吸を止めなきゃ耐えられない痛みが襲ってくる。
マジ?
 みんなこんな痛み乗り越えて産んでるの?
あぁ・・・そうかみんなはこの3分の1か・・・。
ほんと誰?
3倍とかって言った人・・・・。
風船抜けたら、本当に3分の1になって
少しは楽になるの?
あ、また痛たたたた・・・・・。
痛みの中で、隣の人が出産らしい。
聞き耳立ててる私がいました。
それにしても・・・痛いよう・・・・

                 続く



    

     *みっちゃんのわずか15分の独り言*

今日は体験記ではなく、またまた感想を載せます。
第六十七話を読んでの感想です。

「う〜ん・・・・・・・・・。結婚って、子供欲しい人だけが
 するもんなのかなぁ。私は結婚してるわけじゃないから、よく
 わかんないんですけど、みんなそうなんですかねぇ。
 結婚ってイヤなこともたくさんあるけど、それと同じくらい、
 いいことってあるんじゃないのかな?って思いたい。私も
 「一生シングルでもいい」って考えた事あるけど、でも年取った
 らツライしなぁ・・・。上田さんもメールにはないけど、ダンナ
 さんと結婚していいことって、やっぱあるんですよね??何か
 最近、人と付き合うのって妥協だなって思うようになってきた。
 今まで自分勝手にやってきて、それで済んじゃったから、あん
 まり考えなかったんですけど・・・・・・・。
 (早く気付けって??)イヤなとこ見えたら別れて、そのイヤ
 な所がない人見つけて付き合って、で、また別のイヤなところが
 見えてしまう・・・・・・。こんな事してたら、長期恋愛は絶対
 できないですよね〜。その人のいいとこ(好きになったとこ)考
 えて、イヤなところもある程度がまんしなきゃいけないんだ!!
 うん。こんな自己チューな人と付き合ってるって事は、むこうの
 方がかなりガマンしてるハズだしなぁ。って、ちょっと悟って
 しまったのでした。分かってても、行動が伴うかどうかはわかん
 ないですけどね。」

なかなか難しい話。頭でわかっていても・・・ってね。
「いいこいいこ」をいっぱい言わなきゃって思っていても
「駄目!いけない!」をいっぱい言っちゃうのと同じですね。
なかなか・・・難しいです。人間対人間って。そういうところに、
無償の愛をくれる犬等に、心のよりどころを求める人が増えて
きている理由が隠されてるのかなぁ・・・なんて思う
今日この頃です。

話は変わりまして・・・・
子供といると、ドラマが見られません。
ちょうど寝かせる時間なんだもの。
ビデオに撮っても見る暇なし。そんな中で、この間終わった
ビューティフルライフは必死に見ました。
すごい視聴率でしたね。今は話の内容よりも、まず話題性が
大事なんですね。そんでもって、更に話が良ければ、尚
盛り上がるっていうんですか?
TBSだったからきちんとしたドラマで終わったけど、
別の局だったら、案外ヒロインは死ななかったりして・・・
なんて思ってしまいました。
過去に何度もありますからね、この手のこと。
ま、そんなこんなで、もう3月も終わりです。

体験記もいつ終わるんだか見当つかないし・・・
体重も11月の健康診断から5キロも増えたし・・・
やることいっぱい。がんばろうっと。
では、ひとりごとでした。明日は体験記打ちます。
ではまた。






第七十八話

断続的に続く痛み。その中で、誰かが出産という。
聞き耳たてたて、痛みを紛らわす。
そんな中で、ガチャンガチャンと機械の音がする。

分娩台が、分娩台として使われるための形に変わっているらしい。
             ↑これは、自分の時にわかった。

「はい、じゃぁ、いきんでください。」

看護婦さんの声が聞こえる。

「はい、上手上手。」
「やめない、まだ、もう少し!」
「はい、じゃ少し休んで。」
「次の痛みの時また行くよ。」
「はい、息を大きく吸って、止めて、はい、いきんで!」

聞いてるこっちが、いきんでしまう。
そんな会話が何回か続き・・・・

「はい、頭が出た!もういきまないで!」
「はい、ハッハッハッハッハ・・・・」

看護婦さん二人くらいで、ハッハッハってやってる。

「オギャー」

産まれたっ!!!

「おめでとうございます。○の子です。」

と先生が言う。

「ありがとうございます。」

お母さんになった人が答えてる。
そうかお礼いうのね、そうだよな、うん。
忘れないようにしなきゃ、と記憶しつつ、
良かったね産まれて良かったね、なんて涙ぐみ、
「痛み」と戦う私がいました。

                     続く
            



第七十九話

そうそう、書き忘れ。
風船入れられたあと、すぐ点滴をされました。
生まれてはじめての「点滴」です。
点滴のぶら下がっている棒っていうの?
あれを握ったりしながら、痛みと戦っていました。

トイレに行きたい・・・・。
痛みが続く中、そんな事を思い始める。

「あ・・・あのぉ・・・」
「はい?」
「トイレに行きたいんですけど・・・・」

忙しそうに歩いていた看護婦さんをつかまえて言う。

「歩いて行けますか?」
「多分・・・・。」
「じゃ、降りるの手伝います。」
「はい。すみません。」

看護婦さんに手をかりて起きあがる。
そこで痛み。

「ちょ・・・ちょっと待って下さい・・・」

看護婦さんの手を振り払い、ヒッヒッフー。
痛みが止まった後、再び呼吸を整えて・・・・
なんとか看護婦さんの手をかりて台を降りる。
点滴を抱えながら部屋を出て、トイレへ。
トイレに行って、ほっとする。
また痛み。
部屋に戻るまでに結構時間がかかる。
そしてまた台に乗るのに、看護婦さんの手をかりる。
痛い。
もうっ! どうにかしてっっ!!!

「お食事で〜す。もって来ました。ここにおいておきますね。」

元気のいいおばちゃんが「昼食」を持ってきてくれる。
しかし・・・ここで食べるの・・・大変。いたたたたた。

今日のメニュー
中華ちまき。
シュウマイ。
杏仁豆腐。
あとザーサイと...残りは記憶にありません。
だって痛かったんだもの。
でもちまきで助かったの。
だって片手で食べられるでしょ?
お箸と茶碗だったら、痛いとき大変だったと思う。

とにかく、3分おきの40秒、ひーひー言いながら
一生懸命食べました。

そんでもってやっと1時。
まだまだだよ〜という看護婦さんの言葉に、
めげはじめた私がいたのでした。


                       続く











                                 
****************************
注:下記の文章は会社の掲示板に載せる最後の日に打った物です。

今週で、この掲示板が廃止されるそうです。ここでの体験記の
掲載は今日で終わりです。続きは希望者にメールで配信させて
ただきます。体験記とは関係ないんだけど、読んで下さい。
(当時この体験記連載していた会社の自由な掲示板が、削除さ
れることがいきなり決定したんです)
みなさんは会社に「自分の時間」を売ってるって知ってます?
会社に自分の時間を売って、そしてお金を得てるんですよ。

仕事がしたくないなら、売るのをやめればいいんです。こそ
こそさぼる位なら、堂々とこれだけ今仕事して休憩してるん
です、といえるくらいの仕事しましょうよ。男性の方でタバ
コが吸いたくて、業務の合間に席を立って、休憩しながら雑
談してる人と、なんら変わらないでしょう?
ただし、お互い社会人として、会社での最低のマナーは守り
ましょう。タバコの煙は、吸わない人にとっては、めちゃ
くちゃ嫌な匂いだし、身体にも悪い。過度なおしゃべりは、
仕事中の人にとっては、うるさい雑音だということを、くれ
ぐれもお忘れなく。

ま、どっかのえらい方が、伝票処理を「そんな仕事」「やり
たくない」みたいな事を言ってるのを以前聞きましたけど・・・・。
そういう事言ってるから、女子社員がついてこないんですよ。
懸命にやってるのに「くだらない仕事」といわれたら、「や
る気」を無くさない方がおかしいですよ。そんなにそれが
「くだらない仕事」だと思うなら、何故やらせてるんですか?
そんな仕事だったら「なくせばいい」んです。
「なくせない仕事」だということは、その仕事は「必要な
仕事」という事です。もしこれ読んで、該当するなぁ・・・
と思う上司の方。心に手をあてて、考えてみてください。
そして、事務処理してて、いわゆる「売上」という形で自分の
仕事が数字にでないという業務の方々・・・。事務処理だって
立派な仕事です。自分の仕事に自信もってやりましょうよ。誰か
がやらなければ、業務ストップしちゃうんですから。どうせ
やらなきゃいけない仕事なら、笑ってやりましょうよ。泣きながら
仕事したって、「いい仕事」なんかできっこないです。何か
不都合な事があったら、裏で泣いてないで、提案してみましょう
よ。それで駄目だったら仕方ないけど、何もしないで「してくれ
ない、やってくれない」では、木陰で好きな人見てて、心が伝わ
らないのと一緒ですよ。
社長も言ってましたよね。朗らかに働こう!って。
笑う角には副来る、というのがあります。ぶっちょう面よりも
笑顔で仕事しましょう(にやにやはやめましょうね、怖いから)
注:上記文章は、会社での掲示板に体験記が載る最後の日に載せたものです。

第八十話

食事をしたあとのせいか、またまたトイレに行きたくなる。
すると、それを言う前にトイレがやってきた。
ポータブルトイレ。簡易トイレ、であります。

「トイレに行きたくなったらここでして下さい。」

なんだって?
ここで?
こんな看護婦さんがうろうろしているところで?!
ばかな! こんなことって・・・・!!!

なんて、動揺なんか知らん顔の看護婦さん。
うっうっうっ・・・恥ずかしいよ〜。

今思えば、午後になると面会がはじまるんで、
その中をうんうん言ってる妊婦が、うろうろするのは・・・
って事かなぁ・・・なんて思えるんだけど、とにかく恥ずかしいっ!
でもトイレに行きたいのは我慢出来ない。
まったく出産って、恥ずかしいことの連発。

そうそう、看護婦さんはトイレにいった回数とか内容も、
カルテに記入していました。

1時過ぎ位から、私とほぼ一緒に入室した経産婦さんが騒ぎ出した。

「いた−いっ!早くだして−っ!もういや−−−−−−っ!!」
「いい加減にしなさい、あなた2度目でしょう!」
「早くだしてよ−−−っ!!!」

どうも陣痛が来るたび、叫んでいるようだ。
つまり3分おきに叫んでるの。
なんか、ドラマみたい。
なんて思いながら、30分も聞いてると、
体力あるなぁ・・・なんて思ったりする。

「前期破水の方、入りますっ!!」

と、看護婦さんの声。
前期破水・・・・あらららら・・・・。
なんて思っていたら声を掛けられる。

「上田さん、場所移動します。動けますか?」
「は、はい。」

私は、隣の部屋の簡易ベットに移された。
ここは、手術室らしい。
普段は開けてあって、手術の際は閉じられるらしい。
この痛みがこなかったら、あの台の上だったのかぁ・・・
と、手術台を見ながら思う。
痛みは相変わらず、3分おき。
前期破水の妊婦さんが、空いた分娩台に乗ったようだ。
子宮口はまだ5センチにも達していない。
一体いつ生まれるんだ〜っっ!!!!
只今時計の針はPM2:30。


                 
続く

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