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第五十一話

産後は、実家に帰る予定なので、ベビー服を数枚だけ持って、
帰宅。実家に帰っていたのが気に入らないらしく、
お義母さんはめちゃくちゃ不機嫌。
自分で、早いうちにやっときな、と言ったくせに。

憂鬱になる。
食事も美味しくない。と、いうより食べられない。
イライラつのってとうとう、旦那とお義母さん大喧嘩。

あ〜ぁ。馬鹿旦那。
言葉選べよ。思春期のガキが喧嘩してるのと一緒じゃないか。
お義母さん、明日は朝起きてこないぞ〜。
すぐふて寝するんだから。
気持ちの切替がへたな人。いつまでも引きずる。
だから、いつでも幸せじゃないの。なにかにつけて、
いいところを見つけようとしない。
悪いところばっかり気にする。見つける。・・・・。
前は、会社行ってたからいいけど、昼間に起きてきて、
愚痴を聞かされるのは、私なんだぞ。

自分の息子なんだから、直接文句言えばいいのに。
怒鳴られたりするのが嫌なのか、私にばかり言う。
義妹達にも、めちゃくちゃ厳しい。
そんなに「男の子」って可愛いの?
悪い点まで見逃して、可愛い可愛いじゃ、駄目なんだぞ。
お義父さんにも、文句を言いまくっている。

「愚痴いうな。」

といわれても

「愚痴じゃない、本当の事だ。」

と、言い返す。
本当のことでも、こうだからこうして欲しいとか、
建設的な意見がなくて、ただああだった、こうだった、
と繰り返すばかり。そういうのは「愚痴」なんだよっ!!!
ほんと、嫌になる。
旦那とは、一週間近く口を聞かないお義母さん。
食事中が一番辛い。
あ〜ぁ・・・・。

この一週間の間に、私は私で、もって帰ってきたベビー服の左胸に、
名前を縫いつけた。
もちろん、私の名前であります。赤ちゃんの退院時に着る服、です。
短肌着、長袖のベビー服のセットと、寒いときの為に長肌着、
長袖のセットの2つをつくる。
あとは、Dマートでかった、アフガン(おくるみ)。
これを紙袋にひとまとめにして、赤ちゃん準備完了。
私も、下着、パジャマ、洗面用具等を鞄につめ、部屋の隅に置く。
病院は、T字帯とか、出産用品は全部用意されている。
これでいつ生まれても、OK。

さて、あとは引っ越し荷物整理を残すのみ。
でもなんだか、荷物このままにしておいて、
どこかにまた引っ越ししたいなぁ・・・
と切実に思う私がいたのでした。


                      続く












              
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
とうとう来てしまいました。これ読んで、結婚ためらっちゃう・・・
という意見。
「上田さんのせいで、長男に嫁がこなくなるじゃないか。」
という意見もきていたし・・・・・
男女両方から、もらってしまいました。ごめんね−。
でも事実なんだもの。
ま、もっと仲良くやってる人もいっぱいいるよ。
もっとひどいのもいるけど。
上見ても、下見ても、きりないよね。何でもそう。

だから「私は私」で、頑張るしかない。今はそう思う。
でも今でも時々、逃げ出したい、と思う時がある。
事実、先週はず−っと辛かった。久しぶりに辛かった。
ま、今の事はおいといて。
さてさて、5年前の出来事です。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

第五十二話

3月18日土曜日雨。
検診に行く。順調です。
次回は一週間後。これからはず−っと、一週間おきだよ、といわれる。
いよいよ近づいてきました。

3月20日月曜日晴れ。
地下鉄で、異臭発生。八丁堀・銀座・築地あたりだそうだ。
時間が経つにつれ、死者までではじめた。
以前勤めていた会社だったら・・・・。ぞっとした。
以前勤めていた会社は、引っ越しをしていたので誰一人、
被害はでなかったらしい。
でも妹も弟もそっち方面に勤めている。
すぐに電話する。だけどつながらない。

連絡とれたのは2時過ぎ。
弟の方は、遅刻して難を逃れたらしい。
普段からの無精が、幸いした。
けれど妹の方は、病院へ。
とにかく、前例がない事件。それも「サリン」という毒。
3年位、子供はつくらないでください、といわれたらしい。
どういう子供ができるか、保証できない、という事なんだろう。
事実、これを理由に授かった命を還してしまった人もいたとか。
なんだか聞いて哀しくなった。誰が、なんの理由で、こんな事をするんだろう。
オウム真理教という、宗教団体がこのあと浮上してTVをにぎわせていく。

無差別テロほど、許せないものはない。
恨みつらみがあって、相手に危害を加える人がいる。
むしゃくしゃして、関係ない人に危害を加える人がいる。
危害を加える事自体、よくないとは思うけど、関係のない人に何故?
最近は自分よりも弱いものに、危害を加える人が増えてきている。

何故?
弱いものは、危害を加える為に存在しているのではなく、
守るべきものでしょう?

サリン事件で、旦那さんをなくした4月が予定日の妊婦さんがいた。
とても、とても、可哀相で、辛くて、哀しかった。


                     続く












                               
第五十三話

3月21日水曜日。
オウム真理教という宗教団体が、一斉捜査をうける。
なるほど、どうも怪しい。
TVはどこもオウム一色。
お義父さんは、かぶりついて見ている。
私も見てみたかったが今日はそれどころではない。
母親学級の同窓会なのである。

ペーパードライバーの私は、TVにかぶりついているお義父さんを
ひっぺがして、車を運転してもらい、S市の保健センターへ行った。

「すみませんが、4時頃終わりますので、その頃また来てください。」

と伝えて、中へ。
1時30分からのわずかな時間。楽しみにしていた「同窓会」でした。
さてさて・・・・来てる来てる。
ちっちゃいの連れて、みんな−っ!!!久しぶり−!!!
保健婦さんも

「すごいね。出産時だっていうのに、半数の人がくるなんて。」

と大喜び。
私のように、まだお腹の大きい人もいる。
そうだよね。予定日が1月から5月の人の母親学級だったんだもの。
3月の今じゃ、ちょうど半分だよね。
でもトップで産んだ人は12月末。

「うわ−。もう去年でお母さん?」

話題は当然「お産」のこと。軽かっただの、大変だっただの。
保健婦さんが司会進行で一人一人お話する事になった。
ここに、私の記憶にある分だけ載せましょう。

この話は次回また。


                    続く


                               


第五十四話

みんなの出産体験記その1

夜寝てて・・・「パンッ!」という音がした。

「なんだ今の音・・・?」

と思ったら、じわ〜っとしみでてくる暖かい液体。

「なになになにこれ〜。」
「馬鹿、生まれるんじゃないのか?」
「え?生まれる?」

旦那様が車をまわしてくれて病院へ。
病院へ着く頃から「陣痛」がはじまり、翌日産まれた。
彼女曰く

「ほんとにさ、「パンッ!」っていうのよ。破水するとき。」

へぇ・・・・・。
これはほんとみたい。
友人も同じように前期破水して産んだけど、パンって音がした、
っていってたもんなぁ・・・。
ちなみに私。2度ほどお産したけど、2度とも「パン」の体験は
出来ませんでした。ま、いいけどさ。
ちっ。してみたかったのが本音です。

ではその2

普通に検診に行った。
内診台に乗り、子宮口の入り口が開いているかのチェックをする。
先生がいきなり言った。

「お産始まってるよ。産まれるよ。」
「えぇっ!?まさか、痛くないですよ。」
「全開しちゃってる。産まれるよ。すぐ入院の仕度して。
 あぁ、とにかく先に、分娩の用意。着替えて着替えて。」

看護婦さんもバタバタ。本人だけが、ええ?何よ−状態。
とにかく家に電話して、荷物を持ってきてもらう手配をする。
着替えさせられ、そそくさと分娩台へ移動。
その間も、たいして痛くなかったらしい。
そして、先生と看護婦さんが会話。

「浣腸は?」
「しない方がいい。もう産まれちゃうよ。」

ほんとに産まれるの? マジで? まだ半信半疑だったらしい。

「はい。じゃ、いきんで−。」
「い・いきむ?」
「排便する時、いきむでしょ?あれあれ。」

そんなんで、便がでちゃったらどうするんだろう?
と思ったそうだが、とにかくいきむ。

「はい、上手、もう一回。」

いきむ。

「はい、もういきまないで。」

呼吸を整えているうちに、股の間からズルンっとなにか出た感じ。

「オギャー」

あ、産まれた....

たった2回のいきみで、荷物が届く前に産んでしまった、という。
この話の終了後、みんな

「うそー」
「いいなぁ−!」
「ずるいっ!そんなに軽くていいのぉ?!!!」

等々すごい騒ぎになりました。
なんでも、彼女が言うには

「朝から便秘気味のような、なんかお腹の調子は変だったんだけどさ。
 まさかあれが陣痛とはね。」

う・うらやましい。
そんなお産を、私もしたい。つくづく思ったお話でした。
ではまた。


                       続く



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
皆様こんにちは。花粉の情報が、TVでもながれる季節になりましたね。
うちの旦那は「花粉症」です。その旦那のマスクがなくなった、
というので、昨日保育園の帰りに、駅前のドラックストアに
行くことにしました。いつもの道を曲がらなかったので、5歳の娘が

「ママ、道が違うよ。おうち帰んないの?」
「うん。帰んないよ。」
「えぇ−っ!どうして−。」

なんて会話をしながら、店につくと上機嫌で、
マスクを取ってきてくれました。
帰り道、車中での会話。

「ねぇママ。」
「なぁに?」
「明日もさぁ・・・あそこで曲がらないでね。」
「なにそれ。明日は曲がるよ。」
「駄目、まがらないの。瑞穂がこ−やって(足を前にふんばって)
 まっすぐ行くようにするから、 曲がれないよ。」

車の中で踏ん張ったところで、車は曲がるのに、
その発想も、体勢もおかしくて、大笑いしちゃいました。

「なんでママ笑ってるの?何かおもしろいの見たの?」
「見た見た。」
「何見たの?教えて。」
「教えても見られないから教えない。」
「ど−して見られないのぉっ!」
「どうしても。」

ぎゃーぎゃーお姉ちゃんが騒ぎはじめても、弟の方は、
車中にかかっている童謡を、悠然と歌いまくっていた。
こ・この姉弟って・・・・・
ま、私の子供だ。仕方ないか。
話がそれまくりました。
ではどうぞ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

第五十五話

みんなの出産体験記の続き。

その3

とにかくかかった。
痛みがきてから、3日。
病院で3日も頑張った。
うんうんうなって、うとうと寝てまたうんうん、
うなって、気づくと3日。

ご飯はまともに食べられない、トイレもいけない。
腰は痛い。どうにもこうにも痛い。
でも産まれない。

戦い戦い、やっと4日目に産まれた、という人。

聞いてて、みんな「シーン」となる。
いやぁ、大変だなぁ・・・・。
これから産む私は「ゾー」とする。こんなお産、やだなぁ・・・・。

でも友人で、こんなお産した人がいる。
3日苦しんだあげく、会陰切開のかいもなく、
肛門のほうまで裂けちゃって、産後えらく大変だった、という人。
旦那さんも3日つきそい、腰をさすり、頑張ったらしいんだけど、
いざ産まれるときは夢の中だったとか。
今となっちゃ笑い話なんだけどね。
この友人も、体験記のこの頃妊娠中。
ちょうど今頃、胎動が始まった頃だったかも。
確か9月に産んだから。

ともあれみんな、一人をのぞいておおむね出産まで、13時間位かかってる。

ま、覚悟しなきゃなぁ・・・と思う。

一人一人の話が終わって、さて赤ちゃんの話。
またみんな、名前がこってるんだ、これが。
首のきちんとすわってない赤ちゃんばっかり。
1月生まれは、かなりすわってたけどね。

うちも名前考えなきゃ・・・
旦那は「絶対男だっ!」と男の子の名前ばっかり考えてる。
感化されて、私も男の子かなぁ・・・と思い始めていた。

次回は7月1日に同窓会やろう!と決まる。その時には全員集合だね、と。

7月かぁ・・・もう夏だなぁ、その頃は・・・。
赤ちゃんと一緒に来るんだなぁ・・・
楽しみにしながら、帰宅する私でした。


                       続く



                             

第五十六話

子供の名前。はてさて。どうしましょう。

「名は体を表す」なんていったり、画数で人生が決まるっ!
とかなんとか。
とにかく、一生背負うもの、です。
生半可な理由で決めたくありません。

なのに旦那は、阪神タイガースファンなんだけど、
そこで最近活躍してる人の名前がいい、とか言ってる。
タチが悪いのは「本気」で言ってること。
その名前も「豊蔵」−とよぞう−。

「ふざけるなっ!!やだよ、そんなの。」
「いいじゃん。豊かな蔵だよ。」
「貧乏だからって託すな、夢を。子供は子供だよ。」
「じゃぁ・・・。」
「阪神はやだよ。」
「じゃぁ・・・。」
「あ、横浜マリノスも駄目ねっ!」
「なんでだよ。」
「人にあやかって、いいことないんだから、駄目っ!」

私は、その手の本を一冊買ってきて、にらめっこ。
この名字にはこれがいい、という本は買わなかった。
だって女の子だったら、変わることもあるでしょ?
しかし、基準がないと難しい。
親から一字取る、とかいやだと旦那はいうし・・・。

う〜ん。

お腹の中から蹴りがくる。早く決めろってか?
痛いなぁ、もう。
「蹴る」といえば・・・
当時、サッカーが盛んだった。
初のワールドカップ出場になるかっ!
なんて感じで盛り上がっていた。
結局、「ドーハの悲劇」でこの夢はついえてしまったんだけど。
旦那はよくお腹にむかって

「ニッポンッ!ニッポンッ!ニッポンッ!チャチャチャッ!」

と、5ヶ月頃から言っていた。あほらしい旦那である。

「最近いわないねぇ、ニッポンって。」

と、旦那にいうと

「そういやそうだな。」

と再び「ニッポン攻撃」がはじまった。

「おまえは日本という国に、産まれるんだぞ−っ!
 もしも−し。聞こえてますか−。ニッポン!ニッポン!ニッポン!。」

人のお腹つかまえて、連日これ。
うちの旦那って、変なやつ〜。

ともあれ、まだまだ候補の名前も決まらずにいる私たちだったのでした。


                      続く






第五十七話

引っ越しの荷物を片づけはじめる。
母子手帳をもらったとき、一緒にもらった小冊子が出てきた。
その一冊の中に、ベビー用品の特集があった。
巻末に、資料・試供品の無料請求の葉書が付いていたので、
早速めぼしい物に○をつけて投函する。

もっと早くだしたかったなぁ・・・
と思いながら、いつ頃くるのかなぁ・・・
と、わくわくしていた。

試供品なんて、もらっても不要なもの、結構ある。
でも、ついついもらっちゃう。
それで荷物が増えて、片づかなくなる。
わかっていても、ついつい・・・。

愛読書「バルーン」の中の広告にも、
試供品の事が載っていた。
結構、あたりかまわず出した。
休みに入ってから、たくさん出した。
それがまぁ、来はじめたら凄いこと。
カタログカタログカタログ・・・・・・
かわいいベビー用品が、山のようにのってる。
どれもこれも可愛いし、けど、高い。
赤ちゃんのお肌に、なんて乳液なんかも来た。
ヒットだったのは、ヴィックスベポラップの試供品。
これは当たったんだけど、なかなか良かった。
おかげで、試供品が無くなった後、しっかり買ったもの。

ま、とにかく3月下旬。
もうすぐ「花見」シーズン到来、という頃。
私はカタログやら、試供品やらに埋もれながら
子供の誕生を待ちわびていた。

頭の片隅で、名前の候補決めなきゃ・・・
と、思いながら・・・・・。

                             続く








                            
第五十八話

3月26日 日曜日雪のち雨。
今日も検診です。お腹の廻りをはかり、
子宮底の長さをはかり、心音を聞いて、超音波で赤ちゃんみて・・・
頭の大きさはかって・・・ここまではいつもと同じ。
さてここからが違う。
1週間おきね、といわれてからは、内診台にのっての検診も
プラスされました。以前は、あんまり気にならなかった、
台の高さ。お腹が大きくなった今は、結構大変です。

「今日はクラミジアの検査をします。」

と先生。

(クラ?なんだって?)
「ちょっと痛いかもしれませんよ。」

と先生、何かをぐいぐい、つっこんでとった。
(「ちょっと」じゃないよ、この痛さ。)
内診台から降りて、お話。

「今日はクラミジアの検査をしました。これにかかっていると、
 赤ちゃんが産道を通る時、感染して大変な事になるので。」
「はぁ。」

私は、はっきりいって、それがどんな病気かわかっていない。

「検査の結果は、次回にはわかると思います。順調ですよ。」
「はい。」
「では、一週間後に。お大事に。」

産道を通っての感染・・・。
確かエイズもそうだっていってたなぁ・・・。
だから、エイズの人は帝王切開なんだって。
いろいろ病気あるなぁ・・・なんて思いながら、検診を終えた私でした。
いよいよ4月がやってきます。

当初の予定日は4月9日でした。
うわ−。ドキドキの「臨月」です。


                          続く
                 



■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
花粉が飛び始めましたね。もうすぐ春がくるんだなぁ・・・
と思ったりします。
季節が追いついてきてしまうので、とっとと進めたいと思います。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

第五十九話

4月です。
平成7年の4月。
とうとう、出産に挑む月がやってきました。
が、お腹はあいかわらずで、元気に蹴っています。

仰向けにねっころがると、グリン、グニョン、とお腹が動くのでおもしろい。
旦那にみせたところ

「お前・・・なんかいるよ、その中。」

これだもんね。うちの旦那のリアクション。

「なんだその「なんか」って。いるに決まってんでしょっ!」
「すげぇ、今の動き。」
「そう?」

以前、おしめ縫いの時、実家に帰って同じ事を妹の前でやったところ

「やだ、お姉ちゃん、こわいからやめて。」

といわれた事を思い出した。
そうか・・・・。はたから見たら「こわい」んだな。
自分のお腹で、もう5ヶ月以上も、ゴロゴログニョグニョ動いてるので、
あまり思わなかったが私もきっと、独身の時にでも、誰かの見たら
怖いと思うだろう・・・。

「こわい・・・かぁ・・・。」

なんて思ってたら、旦那が言う。

「こわかねぇけど、動きがでかいからさ。痛くないの?」
「別に。」
「ふうん。いいよなぁ、女は。」
「なんで?」
「だって、そうやって腹ん中で育ててさ、痛い思いして産んでさ、
 赤ちゃんのお母さんになっちゃうだろ?」
「?」
「男はさ、はい、あなたの子よ、って見せてもらって、
 これがそうかぁ・・・って、そこからはじまるだろ?」
「まぁ、そうだね。」
「この差はでかいよな。」
「そう?」
「せめて男も、乳が出ればいいんだよ。それで交代で育児すれば、
 もっと子供もなつくしさ。”父親”にも早くなれそうな気が
 するんだけどなぁ・・・・。」

変わったことを言うやつである。まぁ、これがうちの旦那なんだが。

さてさて4月。
子供はまだ、お腹の上の方で暴れてます。
逆子にもならなかったし、あとは産まれるのをまつばかりなんだけど・・・・
これがなかなか、出てこないのでありました。


                      続く






■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
六十・・・。
なんか、体験記百話くらいで終わるような気がしてきた。
う〜ん。終わればいいなぁ・・・。

最近あまり感想がこないので、みんな読んでないんかなぁ・・・
やめようかなぁ・・・なんて思ったんだけど、ここでやめたら、
読んでる人が消化不良起こしそうだし、ま、頑張ってなんとか
第一子分、書き上げます。第二子分も打ってね、という人もいるには
いるけど、それはこれを書き上げて、読みたいって人が多いようなら
考えますね。

さて、とりあえず第一子の体験記。頑張ろうっと。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

第六十話

4月9日日曜日晴れ。
病院へ。検診です。

「まだ指1本位だなぁ・・・。」
「はぁ・・・。」
「まだ生まれそうにないね。」

内診後、先生に言われる。
そうか・・・・まだか・・・。

昨日、実家の両親等とお花見をした。
それがお義母さんには、おもしろくなかったらしく、
具合悪い、と布団から出てこない。
出てきたと思ったらグチグチ・・・・。
あまり寝られなかったせいか、尿にタンパクが出ていた。

「離婚」
頭によぎるのはこればっかり。
これさえすれば、出ていける。
でもそれは、このお腹のちびちゃんが「父親」
と暮らせなくなる、ということ。

こっそり、町役場にいって「離婚届」をもらってきた。
実感がわく・・・・。

どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。

う〜ん。引っ越せたとしても、生んでからだ。

悩む。
悩む。
悩む。

友人が子連れで、お花見に来た。
天気はあいにくの「曇り」だけど楽しかった。
彼女は、駅前になにもないので、驚いていた。

「原っぱが広がってるなんて・・・。」

別な意味の感動をしていた。田舎なんだよ、もう。

頑張ってね、と彼女は去っていった。
もう限界なの・・・と心で返事をしていた。


                 
続く

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